理事長挨拶

この度、2023年11月13日の当協会の総会で、第6代目の代表理事に決まりました宮阪博己と申します。

私は、今から8年くらい前に亡き矢部信二代表理事(第4代目)と出会い、当協会の改革について議論してきました。その結果ブロック制に全国を区切り、従来の支部制を廃止して経費負担を減らすことになりました。勿論、人件費の削減から、役員は全員ボランティア(無報酬)で職に就くことになりました。

私は、平成29年に亡き矢部代表理事から近畿第一ブロック長の辞令を受け(エコキャップ新聞29年6・7月号、プロフィール参照)、子ども食堂運営の準備に係りました。そして同年、京都市のレストラン「グルマン・マルシェ」で10月にえ~し~ぴ~キッチンを開始しました。月に1回ですが今日までずっと続けております。現在は他の所の「子ども食堂」も支援できるようになり、ペットボトルのキャップの収益金を当協会へ寄付して頂いています皆様へ、この場をかりましてお礼い申し上げます。

さて、エコキャップ運動の必要性は、3Rで云われるリデュース(物を大切に使い、ゴミを減らす)。リユース(使える物は、繰り返し使う)。リサイクル(ゴミを資源として、再び利用する)。そのリサイクルを軸にして、プラスチック類の再利用に努める必要があると考えます。

実際、プラスチック類は燃やすとCO2を発生します。CO2が原因で気温上昇が起こり、それが原因で地球上のあちらこちらで気候がおかしくなって来ています。シベリアやアラスカでは永久凍土が溶けて、CO2の温室効果ガスの25倍のメタンが放出しているようです。気温上昇が原因で、アメリカ(カルフォルニア州大火災)、オーストラリア(ニューサウスウェールズ州大火災)、アマゾン、ギリシャ、極東ロシアの方々で森林火災が発生しています。

そして、その地球温暖化によって海水の膨張が起きたり、北極圏や南極圏の氷を溶かして海面上昇が起きて、スバルやキリバス島やモルディブが沈みかかっているようです。「取り返しのつかない」ティッピング・ポイントに近づきつつあるかもしれません。

で、その海ですが年間約800万トンのプラスチックが海洋へ流れ込んでいます。
そのプラスチックは海洋で波に揉まれたり、風や太陽光で細かくなっていってマイクロプラスチックとなります。(マイクロプラスチック=5ミリ以下になったプラスチック)

ところで、2016年WEF(世界経済フォーラム・ダボス会議)で、2050年には海洋のプラスチックの総重量が魚の総重量を超えてしまうであろうと発表されました。
海は、今ではプラスチックのスープと云われています。そのマイクロプラスチックが海水1トンあたり2,4個もあります。最近では、日本の近海では海水1立方メートルあたりがその27倍にもなっているようです。

海洋のマイクロプラスチックは、海岸に打ち上げられて風で舞い上がって空気中を漂い、かなり高い山脈に到達しているようです。そして、水道水や市販のペットボトルの清涼飲料水の中にもマイクロプラスチックが混入しているようです。

プラスチックが出来て60年、これから何百年もこのマイクロプラスチック問題が、生活に影響する事に成りそうです。マイクロプラスチックは海洋で細分化しても永久に無くなることはないようで、化石になるまで海底にのこるようです。

日本では厳しくありませんが、ヨーロッパではプラスチックのストローは使えなくなっています。米国カルフォルニア州ロサンゼルス市やサンディエゴ市では、発泡スチロールの使用が2023年4月から禁止になっています。海外では、厳しい規制が出来つつ有ります。

プラスチック類は、マイクロプラスチックとなり劣化してくると、製造時に加えた可塑剤、添加剤のビスフェノールAやフタル酸エステル類などが出てきます。更に悪循環なのは、マイクロプラスチックが海洋を漂う時、人類の害となるPCBや有害物質が付着していきます。

マイクロプラスチックは汚染物質です。海洋では、海の生き物がこのマイクロプラスチックを餌と間違えて食べています。オキアミなどの動物プランクトンが消化できないマイクロプラスチックを食べます。

次に、マイクロプラスチックを保有した動物プランクトンを小魚が食べます。また、マイクロプラスッチクを直接小魚が食べています。海鳥もマイクロプラスチックを餌と間違えてヒナに与えています。(年間100万羽近くの海鳥が死滅)海棲哺乳類も餌と間違えて食べています。(年間10万匹近くが死滅)

つまり、消化しないマイクロプラスチック食べると、発育不足か死に至ります。原因は、「ジメチルスルフィド」と呼ぶ物質です。餌と間違えるのは、海洋を漂うマイクロプラスチックに、動物プランクトンが発するこの物質がこの周りにに付着して、餌の匂いが出ているからです。(カルフォルニア大学デービス校マシュー・サヴォカ博士)

魚の次は、私達です。
私達は、空気中のマイクロプラスチックを毎日呼吸して吸っています。海だけでなくマイクロプラスチックは空気中を舞っているのです。(早稲田大学、広島大学、福岡工業大学の空気中のマイクロプラスチックの調査)食事を通して、毎日私達は微量のマイクロプラスチックを食べています。

しかし、まだ汚染されたマイクロプラスチックを食べた魚が、私達にどんな影響を与えるのか全く調査が進んでいません。プラスチックの可塑剤のビスフェノールAを1つ例に上げると、男性ホルモンのアンドロゲンの核内受容体に影響し、つまり子作りに影響し、女性ホルモンのエストロゲンにも影響があるのではないかと心配されます。

九州大学の松島綾美教授(現在、公益社団法人日生化学会に在籍)の論文にもそのような話が載っています。研究成果の進展がどうであろうと、プラスチック類は回収してリサイクルする必要があります。海洋の1億5千万トン近くのプラスチックの完全回収は難しいでしょう。これからの課題です。

さて、私達に今できる事は、身近にあるペットボトルのキャップの回収を手掛けていくことです。リサイクルという身近で人の心の温もりの分かる、近くの人達の会話の声が聞こえてきます。

ネット環境と違った現実的な集いです。この集いが、地球環境の保全活動の基本的な行動であると私は考えます。地球温暖化の抑止、そして海洋汚染の改善に向けて皆さんと共に進めて行きたいと思います。

2023年12月3日
特定非営利活動法人エコキャップ推進協会
理事長 宮阪博己

子どもの発想に学ぶ

私たちは、子どもの声に耳を傾けているでしょうか?私は、子どもたちの素朴な疑問に耳を傾けることの重要性を感じています。当運動は、神奈川県の女子高校生たちのペットボトルの キャップを捨てるのは「もったいない」という声から始まりました。

子どもたちの発想や力が社会に一石を投じ、リサイクルシステムや技術革新までもたらした訳です。なんと素晴らしいことでしょう。子どもたちは時として素朴な疑問を投げかけ、大人が想像もしない発想をします。未来を担う子供たちの声に耳を傾けましょう。そして今、この運動が海外に広がろうとしています。私は子どもたちの発想で生まれたこの日本のリサイクル運動が世界中に羽ばたくことを期待します。

 

その話を聞いた横浜の戸部小学校の児童が自主的に地域に啓発活動を行い、3ヶ月間で26万個のキャップを収集し、NHK「週刊こどもニュース」が取り上げると、全国の学校へと広がりました。

その後、公共広告機構・日韓共同キャンペーン「エコライバルになろう」のコマーシャルやJR東日本の車内モニターでPRされると全国的な認知度が高まりました。
子どもたちが環境のことや世界の貧困について学び語り合い、その課題解決の一助になりたいと、地域ボランティアの方々や企業CSRとの連携支援で更にこの運動は広がりました。

子どもたちの純粋な想いと力は、地域の中小企業に、ペットボトルのキャップのリサイクルという新しいビジネスとリサイクル技術革新をもたらしました。そして積極的にエコキャップ再生ペレットを活用した商品開発を推進する企業が増えてきています。

障がい者・高齢者雇用創出へ

現在では、より高い品質の再生素材を納品できるように、全国の障がい者施設と連携して、キャップの集荷搬送、キャップの分別、異物除去、破砕作業などの継続的な仕事を障がい者・高齢者雇用創出として推進しています。

これらの丁寧な作業により、高品質な素材をメーカーに提供されて、家電や自動車部品、家庭用品として還元されています。このように、この運動を通じて、地域社会や企業が子どもたちの想いと力を支援するという社会貢献モデル構築ができました。